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【2018年】今年は500億!IT導入補助金を活用し、賢く経営力を強化しよう!

2018.04.11 ITトレンド
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2017年度より中小企業向けの補助金としてはじまった「IT導入補助金」が、2018年度も対象企業を拡大して継続されていることをご存知でしょうか。

この制度は業務効率化や新規顧客開拓、売上向上、案件管理などにITサービスを導入して生産性を向上できるよう、その導入費用の一部を国から補助してもらえるというものです。クラウドサービスなどを導入して業務効率化を図りたいけれど、現状コストをかけるのが難しいと感じている企業様にとって活用しがいのある制度となります。

ここでは、IT補助金の概要や申請条件、昨年度からの変更点、手続きの流れなどを詳しくご紹介します。

IT導入補助金とは

経済産業省が行う事業の「IT導入補助金」は、正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業」と言い、中小企業・小規模事業者の生産性向上を目的として2017年度より開始されました。

前年度は100億円だった予算が2018年度は500億円にまで引き上げられ、想定利用企業数は1万5,000社から13万5,000社まで拡大されたため、昨年度より多くの企業が補助金を活用できるようになりました。

補助の対象となるのは決済システムや経理・会計システム、顧客管理システムなどのITツールやホームページの制作費用などになり、クラウドサービスの導入やパッケージソフトの費用などの一部を国に補助してもらえます。

補助金の上限額は50万円で、下限額は15万円。補助率は導入経費の1/2以下になります。
そのため、100万円のITツールを導入した場合、50万円の補助金が得られるので実質50万円の経費で済むことになります。

補助対象になる企業は、業種や組織形態ごとに細かく規定されているので注意が必要です。例えば製造業・建設業・運輸業であれば資本金3億円以下、常勤の従業員数300人以下の企業が、小売業であれば資本金5,000万円以下、常勤の従業員数50人以下の企業が対象になります。

詳細は交付規定の第六条(補助金の交付対象者)をご参照ください。
https://www.it-hojo.jp/h29/doc/pdf/h29_application_rules.pdf

2017年度と2018年度の変更点

2018年度のIT導入補助金はいくつかの変更点がありますが、主に次の2点が大きく変更されました。

補助金の上限額

2017年度の補助金の上限額は100万円であったのが、2018年度は50万円と半額になりました。

補助率

前年度は2/3であったものが、2018年度は1/2までとなりました。

事業全体の予算は100億円から500億円、想定対象企業数は1万5,000社から13万5,000社と大幅に引き上げられたのですが、より多くの企業に制度を活用してもらうために1社あたりの補助金は抑えるように変更されています。

しかし、最近のITツールは技術の進歩により高性能かつ安価なものが増えているので、上限50万円でも十分優れたものを導入することができるでしょう。

補助金と助成金の違い

補助金とよく似た制度に「助成金」というものがあります。ここで改めて補助金と助成金の違いを見ていきましょう。

補助金と助成金は、どちらも国や地方公共団体から受け取ることのできる返済不要の資金のことですが、支給における条件が異なります。

助成金は、国が示す支給要件を満たしていれば誰でも受け取ることができ、主に厚生労働省が管轄する制度が多いです。
代表的な助成金は、非正規雇用者のキャリアアップに使用する「キャリアアップ雇用奨励金」、従業員の能力向上に使用する「キャリア形成促進助成金」、景気悪化で売上が減少した場合に従業員の雇用調整を行う際に使用する「雇用調整助成金」などが挙げられます。
厚生労働省管轄のものが多いので、雇用に関する制度が中心になっています。

一方補助金は、経済産業省が管轄する制度が多く、支給要件を満たしていても審査に通過しなければ受け取ることができません。そのため、補助金を利用することでどれだけ事業が活性化し、社会に貢献できるかといったことを証明する必要があります。
代表的な助成金は、創業時に使用する「創業補助金」、革新的な事業にチャレンジする際の設備投資などに使用する「ものづくり補助金」などが挙げられます。
経済産業省管轄のものが多いので、事業拡大をサポートする制度が中心です。

補助金も助成金も、企業が支払った後にお金を受け取る制度になっているのでご注意ください。また、請求してすぐに支払われることはほぼなく、支払いまでに数か月を要することが大半なので、資金繰りには余裕を持っておかなければなりません。

IT導入補助金はその名の通り「補助金」に分類されるので、需給には申請が必要になります。では、ここからは申請の条件や手続きの流れを見ていきましょう。

IT導入補助金を申請するための条件

IT導入補助金に申請するためには、いくつかの条件を満たしている必要がありますので、自社が要件をクリアしているか、次の3点についてご確認ください。

補助を受けられる条件

IT導入補助金の対象は次の5点を満たしている企業になります。

  1. 中小企業者(個人事業主含む)であること
  2. ITツールを導入することで、生産性向上が実現する事業計画があること
  3. IT導入支援事業者が代理申請を行うこと
  4. 複数の機能をパッケージ化したITツールの導入を行うこと
  5. 補助事業開始から2021年3月まで、生産性向上にかかわる情報(売上・原価・従業員数・終業時間)を報告すること

(3)の「IT導入支援事業者」とは、当該事業に登録されたITベンダーやサービス事業者のことで、IT導入補助金の申請者の窓口(代理申請)となってくれます。そのため、ITツールに詳しくない事業者であっても商品や運用方法の説明を受けられるのでご安心ください。また、導入から実績報告などの手続きも相談、サポートを受けられます。

ただし、IT導入支援事業者の言うことを鵜呑みにして、業務にとって必要ないシステムまで導入しないように注意しましょう。不必要なシステムはコストを無駄にするだけでなく、業務を煩雑にしたり現場を混乱させたりして、かえって生産性が悪化してしまうことにつながりかねません。生産性向上のためには何が課題となっているかを自分でしっかりと分析し、本当に必要なITツールを見極めることが重要になります。

補助対象経費区分

IT導入補助金の対象になるITツールは、主に以下の3つの業務分野に分かれます。

フロント業務

顧客と対面し、売上を作り出すもの。対象者は顧客。

  • 既存顧客の維持、新規顧客の拡大(広報、マーケティング)
  • 顧客の利便性の向上(カード決済、コミュニケーション、販売方法)
  • 販売業務と確実な回収(決済)
  • 売上げを作り出す=売上高に寄与

ミドル業務

原価・納期・在庫などを管理し、フロント業務を支えるもの。対象者は仕入れ業者、外注業者、設備業者。

  • 顧客の動向を捉え、フロント業務のサポートのプロセス(顧客管理)
  • フロントの原資を生み出すプロセス(納期管理、工程改善、材料等発注等)
  • 適切なスケジュールと人員計画を管理するプロセス(納期管理、工程改善、人員配置)
  • 品質を高め付加価値を高めるプロセス(品質管理)
  • 原価・利益コントロールを行う=原価低減、労働時間・人員配置に寄与

バックオフィス業務

会計や給与等を把握し、下支えとなるもの。対象者は税理士・社労士、金融機関、株主などステークホルダー。

  • 外部への正確な報告(決算・税務)
  • フロント業務要員・ミドル業務要員を下支えする職場環境の確保(給与等)
  • 会計、債権などの動きを正確に把握=業務改善の基礎となる

補助対象となるITツールは、これら3つの業務を広くサポートし効率化や事業拡大を支えることを目的として、コア機能を2つ以上組み合わせたITツールを申請し、事務局の承認を得る必要があります。

参照:IT導入補助金(サービス等生産性向上IT導入支援事業)
https://www.it-hojo.jp/doc/pdf/ithojo_guidelines.pdf

補助対象費用

補助の対象費目となるのは、ITツール(ソフトウェア・サービス等)のみになります。
ただし、IT導入支援事業者として事務局の承認を受けること、事務局のHPに補助対象サービスとして公開されることが要件となります。また、ハードウェアは対象外になるのでご注意ください。

サービス、ソフトウエア導入費については、以下の内容が含まれることを想定しています。

ソフトウエア製品/クラウドサービス

オンプレミス製品、クラウドサービスの他、ホームページ制作費用(社外・社内向け)が含まれます。

  • 既存ホームページの一部更新や改修費用は補助対象外です
  • クラウドサービスの利用料は納品日から1年分が補助対象となります

オプション

ソフトウエア製品/クラウドサービスの導入に伴い必要となるオプション製品が、補助対象となります。

  • 機能拡張製品
  • データ連携ソフト
  • ホームページ利用料(納品日から1年分までのレンタルサーバー費用等)
  • アカウントID追加
  • クラウド年間利用料追加

役務

ソフトウエア製品/クラウドサービスの導入に伴い必要となる役務が、補助対象となります。

  • 保守・サポート費(納品日から1年分までの保守や問い合わせ、サポートの費用)
  • 導入設定
  • 業務コンサルテーション(関連会社、取引会社への説明会等費用は対象外)
  • マニュアル作成
  • 導入研修
  • セキュリティ対策

引用:IT導入支援事業者の登録について(15.どのような経費が補助対象となりますか)
https://www.it-hojo.jp/faq/03.html

募集期間

IT導入補助金の募集期間は以下になります。
2018年4月10日時点の情報となりますので、最新情報は公式サイトの「事業スケジュール」からご確認ください。

一次公募

交付申請期間2018年4月20日(金)~2018年6月4日(月)<予定>
交付決定日2018年6月14日(木)<予定>
事業実施期間交付決定日以降~2018年9月14日(金)<予定>
事業実績報告期間2018年6月28日(木)~2018年9月14日(金)<予定>
※事業実施完了日から起算して30日を経過した日又は2018年9月14日(金)のいずれか早い日まで

二次公募

交付申請期間2018年6月中旬~2018年8月上旬<予定>
交付決定日2018年8月中旬<予定>
事業実施期間交付決定日以降~2018年11月中旬<予定>
事業実績報告期間2018年8月下旬~2018年11月中旬<予定>
※事業実施完了日から起算して30日を経過した日又は2018年11月中旬のいずれか早い方まで

三次公募

交付申請期間2018年8月中旬~2018年10月上旬<予定>
交付決定日2018年10月中旬<予定>
事業実施期間交付決定日以降~2019年1月中旬<予定>
事業実績報告期間2018年10月下旬~2019年1月中旬<予定>
※事業実施完了日から起算して30日を経過した日又は2019年1月中旬のいずれか早い方まで

引用:事業スケジュール https://www.it-hojo.jp/overview/

交付申請の流れ

IT導入補助金の交付申請から実施後の具体的な流れを見ていきましょう。

ITツールの検討

まずは自社の課題を分析し、生産性向上につながるIT導入支援事業者とITツールを選定します。導入以降はどの程度の業務効率化が図れるのか、目標を設定して実現までの事業計画を作成します。交付申請では、「導入したいITツール」「ITツール導入後の事業計画」の2点が必要になるので、しっかりと事前準備を進めていきましょう。

交付申請(IT導入支援事業者による代理申請)

公式サイトより、IT導入補助金の交付申請手続きを行います。
「申請マイページ」を開設し、必要情報を入力。その後IT導入支援事業者によって詳細な情報のヒアリングが行われ、事業者が代理で情報を取りまとめて申請画面に入力します。入力された内容を確認後、問題なければ承認。そして、IT導入支援事業者が補助金交付の代理申請を行います。

ITツールの発注・契約・支払い

交付申請が完了し、審査に通過して補助金の交付が決定したら、ITツールを発注、契約して料金を支払います。

事業実績報告

ITツールの発注、契約、納品、支払いを行ったことが分かる証憑を準備して提出します。
提出はIT導入支援事業者が行うので、作成された事業実績報告の内容を確認、承認します。

補助金交付手続き

事業実績報告が完了して補助金額が確定すると、「申請マイページ」で補助額を確認できます。内容確認後、補助金が交付されます。

事業実施効果報告

事業終了後5年間は、毎年4月1日から翌年3月末日までの1年間における生産性向上に関する情報・実績を報告することになります。報告は「申請マイページ」から行います。

導入にあたっての注意点

IT導入補助金を利用する際は、以下の2点に注意して準備を進めるようにしましょう。

IT導入支援事業者の選び方

IT導入補助金は、どんなITツールであっても適応される訳ではなく、IT導入支援事業者として登録された企業が提供するITツールから選択する必要があります。そのため、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、身近なエリアにあるIT導入支援事業者を検索して探しましょう。

また、1社のみから話を聞くのではなく、複数の企業から提案をもらうべきです。IT導入支援事業者によって得意とする分野が異なるため、同じ課題を伝えたとしても様々な観点から解決策を提示してもらえるはずです。同じような機能を持つITツールであっても、その企業しか提供していない機能があったり、画面の使いやすさや好みがあったりするので、自社に最もマッチしたものを選定していくことが重要になります。

IT導入支援事業者とは発注から導入だけの付き合いではなく、代理申請や5年間の実績報告と長期間関わっていくことになります。そのため、レスポンスの速さやサポートの丁寧さ、担当者の相性など「仕事が進めやすい協力会社であるか」という観点からもチェックするようにしてください。

ITツールの導入でよくある失敗例が、便利だからと言ってあれもこれもとオプションをつけること。高機能になりすぎて業務で使いこなすことができず、逆にツールを利用したり使い方を覚えたりすることに時間をとられてしまうことになりかねません。本当に必要な機能は何であるか、しっかりと見極めることが生産性向上のカギを握ると言えるでしょう。

交付前に導入したITツールは補助金の対象外になる

IT導入補助金は、あくまで交付が決定した後に「契約・発注・支払」を行ったITツールが対象になります。そのため、過去に導入したITツールや、交付が決定する前に発注したツールに関してはお金を支援してもらうことができないので、十分にご注意ください。

まとめ

IT導入補助金は、ITツールを導入して生産性を向上させたい中小企業にとって、非常に使い勝手のいい制度と言えます。ITについて疎い方でも、IT導入支援事業者からアドバイスやサポートを受けることができます。色々な企業から話を聞いて、自社の課題を解決して事業を成長させてくれるツールを選定していきましょう。

4月からはじまる一次募集から8月中旬にはじまる三次募集まで、申請の機会は複数回あります。前年度は応募が殺到したため、今年も同様に応募は多数集まることが予測されます。業務を改善して企業の利益を伸ばしていくためにも、事前に十分情報収集しておき、早めに申請の計画を立てられるようにしておくことをオススメします。

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この記事を描いたひと

UNIONNET Inc. スタッフ

株式会社ユニオンネットのスタッフ。
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