ユニオンネットの広報活動、これまでとこれから。
広報の松山です。
前回のインタビュー「コミュニケーションが生まれるWeb広告づくりを。」に引き続き、今回は広報としてユニオンネットのPRを支える丸山さんにお話を伺いました。これまで広報についてのインタビューはあまり受けたことがないという丸山さん。ユニオンネットは採用応募だけを見ても前期では求人情報サイトを介さない応募が百数十件以上の結果を残しており、これも広報の効果と言えます。
社長兼広報という立場で活躍する丸山さんの動きについてインタビューをしてみました。
広報を始めた理由は?
最初はどのようなことから広報をはじめましたか?
教育やマネジメントがテーマのセミナーへ参加した際、「そもそも小さな会社には(あなたが求めているような)優秀な人材は来ない。」と指摘され、その時にハッとしました。小さな会社のデメリットは情報量の少なさ。納得できる意識決定に至るまでの情報量が足りないと感じ、まずは社内の情報発信に力を入れようと考えました。
当時は自分が事業承継したタイミングでもあったので、自身を「2代目社長」としてコンテンツ化する方が効果は高いと考え、普段の感情をSNSで発信しつつ、その中で反応の良かったものや文脈を表現し切れないものをブログに更新していきました。
昔から大好きなビジネスメディア「Books&Apps」に寄稿したり、ハフポストやAdverTimesにも取り上げていただきました。すると徐々に、採用面ではWantedlyの反応が良くなり、直接応募も増えてきました。
関東では実名顔出しでSNSを活用することが主流になっていましたが、関西では“ようやく増えてきた”頃だったので、先行者利益が得られただけかもしれませんが。
ただ、今は自分をコンテンツ化するよりも、社内のスタッフや取り組みをコンテンツ化する方が知りたい情報だと思っています。このuntennaというメディアも、中にはコンテンツSEOとして記事を公開しているものもありますが、ノウハウ記事はテクニック重視でどうしても面白さには欠けてしまいます。
これからはSEO目的ではなく「誰がなにを伝えるか」という体験を重視したコンテンツをメインに発信していきたいと考えています。
広報のやりがいを感じる点はどんなところですか?
ありきたりかもしれませんが、自分の知らない所で会社のことが噂になっているのは嬉しいですね。それが同業他社ではなく、お客様の時だったりすると尚更嬉しいです。
あとは自分がコンテンツ化した記事を社内のスタッフから「おもしろかった!」と評価してもらえるのも手応えとして嬉しいです。代表兼広報としての立場になるので、インナーブランディング的な側面は特に意識してしまいますね笑
広報って、つい社外評価を意識しがちな所があるんですが、情報を届ける内外の垣根なんてものは無くて、多面的であるべきですからね。
これまでの広報活動の中で、難しいと感じた点や課題はありましたか?
広報は、取引先・同業・地域・社内、自社と関係のあるステークホルダーとの繋がりを円滑にすることです。
どの側面に対しても自社のことを正しく理解して欲しいと思ってはいますが、時には情報が歪曲して伝わってしまうこともあります。「話を盛っている」「事実を捻じ曲げている」と誤解されてしまう時もあり、ここの難しさは常に感じています。
キラキラした会社じゃないのにキラキラ認定されてしまっている!と感じる時は「うちはどちらかと言えば体育会系な会社です。」とあえてのマイナス発言をしたりもします笑
代表兼広報ならではの悩みだと思うのですが、自分の場合は立場上、未来や理想を語ることが多くなります。その中にはまだ現場に伝えていないことや伝えられないこともあり、そこの情報の出し入れにはいつも葛藤しています。広報を代表が兼任して強みになることもありますが、副作用として他者評価が上がりすぎるのは悩ましい問題です。
あと、これはどの会社にも言えるかもしれませんが、属人化も課題です。特に採用面については、今窓口を自分だけで行っているので現場スタッフとの温度感の差には細心の注意を払っています。応募が重なるとフットワークも重たくなってしまい業務がひっ迫するので、ここもそろそろ誰かに引き継いでいくべきだと考えています。
最後に、今後の広報活動について教えて下さい。
今後については「採用」と「集客」の2つで成果を出していきたいですね。
まず採用については、とにかくユニオンネットが好きで一緒に働きたいと思ってくれる人を増やしたいです。やはり「一緒に働きたい!」と言われると嬉しいですし、それだけの熱量を持っている人と仕事したいと思います。(スキル的なものはある程度、後からどうにでもなる)
そして集客については、業者選定のきっかけになるようなコンテンツをもっと作成していきたいです。
企業としてビジョンやパーパスを掲げるのも重要なことですが、実践するのは社内のスタッフたちです。言葉だけではなく、社内が見える化することではじめて文脈が生まれると思うので、作り手の現場や取り組みを広める活動は「この会社に依頼したい」のきっかけになると考えています。
良く勘違いされるのですが、情報発信やコンテンツ化は採用のためだけにあるものではありません。事業成果を生み出してこその広報活動です。
社外だけでも社内だけでもなく、全方位に正しい情報を届けられる、みんなが楽しくなるコンテンツをこれからも作り続けていきたいですね。
インタビュー後記
「広報は関係構築を目的とした活動である」をしっかりと意識した上で、コンテンツ作りや情報発信に力を入れている丸山さん。
代表広報ならではの悩みについては、専属広報とは違った視点から話を聞くことができ、終始勉強になるインタビューでした。成果が計測できないと言われやすい広報の立場だからこそ、「事業成果を生まなければならない」と言い切れるのも広報ならではの覚悟なのかもしれませんね。
実はほったも広報担当です
この記事を描いたひと
企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。
必要性を感じた決定打としては、広告代理店で働く知人がオフィスに訪ねてきた時のことです。
「大阪の天満橋にこの規模で10年以上やってる制作会社あったんですね。近くの○○○さんにはよく行ってたのに、全然知らなかったです。」
この言葉を受け、純粋に悔しいと感じました。制作するWebサイトの品質がそこまで高くなかっただけ、の見解もあるかもしれませんが、当時ユニオンネットは創業10年を超えていたので、業界経験の長い知人に会社を知られていない事実が本当に悔しかったです。
当時は今の代表としての立場ではないため、悔しいよりも「恥ずかしい」感情の方が勝っていたかもしれません。
そして、同時期に求人媒体へ広告掲載をした際に1件も応募がないことがあり、知られていない・魅力が伝わっていないことへのリスクの高さを強く感じるようになりました。