データ活用の強い味方「BIツール」の役割と導入ポイント

2018.02.02 BIツール
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企業を成長させるためには、データを元にした迅速な経営判断とスピーディなPDCAの実施が重要になります。そんな中、高速に企業の膨大なデータを処理できる「BIツール」が注目されています。
しかし、「そもそもBIツールって何?」「BIツールで何をできるか分からないし、各部門のデータを管理するのは大変そう…」という担当者も多いのではないでしょうか。

今回は、社内のデータ活用をサポートする「BIツール」でできることと注意点を解説いたします。

BIツールとは

BIツールとは、ビジネスインテリジェンスツールの略語。
企業内に蓄積されたデータを一括管理し、迅速に分析・レポート化することで、迅速な経営判断と施策の実施が可能になるツールです。BIツールは高度なスキルがなくても簡単に使用できるので、すべての社員がデータを多角的に活用することができます。

営業や在庫、会計状況など、部門ごとに管理していたデータをBIツールですべて統合することで、簡単に高度なデータ分析ができるようになります。期ごとの売上や利益などマークしておきたい指標をBIツールに登録しておくと、膨大なデータから適切なデータを組み合わせて提示してくれます。また、データをシンプルなグラフや表で出力してくれるのでレポート作成が容易になり、作業工数を大幅に削減することが可能になります。

エクセルでは部門ごとのデータを一括管理するのが大変で、専門スキルを持った社員が手間と時間をかけてデータ分析・レポート化しなければなりません。しかしBIツールを導入すれば、これらの作業と時間の工数を大きく削減できるため、経営判断スピードを格段に向上させることができるのです。

BIツールでできること

BIツールでは主に次の4つの機能が備わっています。企業に導入した場合、どのように活用できるかイメージしながら見ていきましょう。

レポーティング

集約した最新のデータを解析可能な形に自動で加工し、ダッシュボードで分かりやすくレポーティングします。企業全体のデータを一括で確認できるので、ビジネスの状況や課題点を俯瞰して見ることができます。

KPIを達成しているか日々簡単に観測できるようになるので、数値に異常があれば問題を早期に発見できます。頻繁にチェックする項目をカスタマイズしておけば、より容易にデータを確認できるようになります。

OLAP分析

OLAPとは「On-Line Analytical Processing」の略で、オンライン分析処理を意味します。

レポーティングで発見した課題を多角的に深掘りして、要因を特定するための分析をします。縦軸と横軸の2次元で分析するスライシング、データの階層を掘り下げて集計項目を詳細にするドリルダウン、階層を上げて俯瞰してデータを確認するドリルアップなどの処理をかけることで、詳細な分析が可能になります。

データマイニング

データマイニングで、データを統計的に分析し法則性・関連性を導き出します。

BIツールを用いれば、クロス分析、相関分析、回帰分析といった複雑な統計学の高度なスキルが求められる処理を誰でも簡単に実現することができます。統計データを把握することで、売上を伸ばすために有効なパターンや傾向を導き出すことも可能になります。

シミュレーション・プランニング

過去のデータから統計的に未来予測を行うことで、根拠に基づいた予算編成や経営判断といった重要なマーケティング判断のサポートに役立ちます。

BIツール導入時の注意点

BIツールは高度なデータ分析から未来予測までできるようになる夢のようなツールですが、導入にはそれなりのコストが必要になります。宝の持ち腐れになってしまわないようにするためにも、次にあげる注意点をチェックして、企業に必要なツールであるかを検討・判断してください。

目的を明確にする

「売上を伸ばしたい」「今後育てていくべき商品を判断したい」など、BIツールを何のために使うのかという「目的」を明確にしておかないと、導入後に失敗してしまう可能性が高いです。

企業が抱えている課題が明確でないと、何のデータを分析する必要があるかも分かりません。課題に対して有効な解決策を導き出すために活用するのが、BIツールです。何となく毎日データを眺めるだけになってしまうことを避けるためにも、BIツール導入前には目的をはっきりとさせましょう。

必要なデータの有無を確認する

BIツールを導入したとしても、分析に必要なデータを蓄積できていなければ何も分析することができません。また、蓄積しているデータと互換性のないBIツールを導入すると、データ結合のコストが大幅にかかってしまいます。

BIツールで解決したい課題に関係するデータは何か、それらのデータは企業内もしくは外部で蓄積できているか、どのような形式で保管しているか、といった情報はBIツール導入前に洗い出しておきましょう。

社内体制を整える

BIツールは簡単にデータ分析を行えるツールですが、専門的なツールではあるので使いこなせる社員に偏りが出てしまう可能性もあります。

様々な立場からデータを活用した方がBIツールの本領を発揮できるようになるので、分析業務が特定の社員に集中してしまうことは防ぐべきです。そのためにも、部署横断型のプロジェクトチームを組み、BIツールを多角的に使いこなせる社内体制を整えることをおすすめします。

まとめ

BIツールを導入すれば、今まで活用しきれていなかった企業内のデータを一括で管理・分析できるようになります。事業課題を解決するための経営判断や施策のPDCAが速められ、データ分析にかかわる業務効率が向上するなど、大きなメリットを享受できるでしょう。

しかし導入にはコストがかかり運用にも一定の工数が割かれるので、目的や運用体制を合わせて整理しておかないと、BIツールを有効活用できなくなってしまいます。企業の課題を洗い出し、どのようにBIツールを活用すべきかを考えた上で、導入の判断を進めるようにしましょう。

この記事を描いたひと

untenna編集部

企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。

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