コンテンツSEOに欠かせない「共起語」。使用のメリットや活用法、ツール紹介など
コンテンツマーケティングを語る上で避けては通れない「共起語」。
SEO効果の高い記事を作成するための“共起語”とは一体何なのか?分かった気にならないためにも、この記事では共起語について、メリット・デメリット、共起語を探すためのツール、など幅広くご紹介していきたいと思います。
共起語とは
共起語とは一体なんでしょうか。よく聞く言葉ですが、いざ説明を求められると答えに窮してしまいそうです。また、共起語とよく似ている「関連語」や「サジェストワード」とどのように違うのでしょうか。それぞれの違いを知ることで、共起語に対する理解度を深めましょう。
共起語の定義
共起語とは、コンテンツのなかでキーワードとして選定した単語とよく一緒に出現するワードのことです。
文脈のなかで、キーワードと親和性や融合性の高いワードともいえるかもしれません。たとえば、「犬」というキーワードがあるとしましょう。この単語と結びつきが強いとされ、一緒によく出現するワードが「共起語」になります。ある共起語ツールを使うと、以下のようなワードがヒットします。
募集(164) | テリア(47) | ビタミン(39) |
加熱(154) | 食材(45) | 愛犬(32) |
ペット(154) | 利用(45) | 症状(31) |
里親(140) | 一緒(43) | 宿泊(31) |
生食(136) | 雑種(43) | 旅行(29) |
原因(54) |
ワードの後ろにある数字は、抽出対象となったコンテンツのなかに含まれている該当ワードの出現回数です。「募集」「加熱」「ペット」「里親」「生食」といったワードが、「犬」というキーワードに合わせてよく使われていることがわかります。
「共起語」と「関連語」との違い
共起語は、コンテンツの中にキーワードと一緒によく出現するワードと説明しました。
それに対して関連語は、ユーザーがキーワードから連想するワードをさします。簡単にいうと、Googleの検索結果の下に並んでいるのが関連語です。ユーザーがキーワードと合わせて入力したワードがリストで表示されています。それを見ることで、ユーザーが、一意のキーワードに対して、KWと関連してどんな情報を欲しているかわかります。
たとえば「犬」と検索すると、「種類」「ランキング」「里親」「散歩」「かわいい」など関連語として表示されます。関連語を調べることで、多くのユーザーが「犬の種類」「犬のランキング」「犬の里親」などに関するコンテンツを期待しているということがわかります。
「共起語」と「サジェストワード」との違い
サジェストワードとは、検索エンジンの検索窓にキーワード入力したとき予測表示されるワードのことです。ここにも、検索回数の多いキーワードが候補としてリスト表示されます。たとえば「犬」を入力すると、「犬鳴村」「犬鳴村映画」「犬夜叉」「犬山紙子」「犬神家の一族」「犬カフェ」「犬 種類」など、関連語とは少し異なるワードが並びます。これらのワードからも、多くのユーザーがいま何に関心を持っているか、どんな内容のコンテンツを期待しているかがある程度理解できます。
このように、共起語と関連語、サジェストワードは似ているようでも意味が違い、観点も異なります。しかし、関連語やサジェストワードに含まれているワードを共起語として自然に文章のなかに取り込むことができれば、ユーザーの必要に応えた質の高いコンテンツになるでしょう。
共起語を使う3つのメリット
共起語とはキーワードと親和性があり、一緒に出現する率の高いワードであるということです。それを文章に含めると、どんなメリットがあるのか説明していきます。
SEO対策になる
検索結果の上位にランキングするためにSEO対策が必要です。Googleは、ユーザーが入力した検索ワードと関連があり、それに対する明快な答えを出していると思われるページを上位表示する傾向があります。
Googleの評価に影響するといわれているのが、コンテンツの専門性・権威性・信頼性です。キーワードと一緒に共起語を文章のなかに散りばめることで、これらの3つの質を高めていくことが可能になります。
読みやすい記事になる
共起語を使用することで、ユーザーにとって理解しやすく読みやすい記事になります。ユーザーが検索したキーワードと関連したワードが文章の中に使われると、自然と頭のなかに入り、内容を整理しながらリズムよく読みすすめることができます。
結果として、ユーザーのページ滞在率も上がりGoogleからの評価も高まる可能性があります。
コンテンツが書きやすくなる
共起語はライティングにも有益です。コンテンツを制作するときは、まずタイトルや記事の骨格となる見出しを決め、それから、各見出しに従って文章を書いていきます。いきなり書き始めることもできますが、書く前に、あらかじめキーワードに関係する共起語を調べておけば、記事全体をどのような流れで進ませていけばいいかをある程度把握することができます。
まっさらなところに文章を書いていくのは困難ですが、共起語という置き石が目の前にあれば、それに向かって書き進めることが可能ですし、文章の方向性を保ちつつ、キーワードと親和性が高い中身の濃い記事を作ることがより容易になります。
共起語を使うときの注意点
共起語はSEO対策になったり、ユーザーにとって読みやすい記事になったりとメリットが大きいのですが、気をつけておきたい注意点もあります。
入れすぎは逆効果
ひとつめの注意点は、入れすぎるとかえってSEOとしては逆効果になる恐れが高いことです。同じ表現やワードがコンテンツにかなり高い頻度で出現すると、Googleがそのコンテンツをスパムとみなしてしまう可能性が高くなります。
そうなると、SEO対策として含めた共起語がかえって検索の順位を下げる要因になってしまうので、入れる頻度には十分気をつけましょう。
ユーザー視点を忘れない
コンテンツの目的は、ユーザーにとって有益な情報をできるだけわかりやすく提供することです。
その目的が「共起語を入れること」に変わってしまうと、メインとなるユーザーが置いてきぼりを食ってしまいます。ユーザーにとって読みやすい文章を作るために共起語を入れるのであって、共起語を入れるために文章を作っているのではありません。
確かに、コンテンツのなかに共起語があると、情報が豊かになり深みが増します。しかし、よく似た表現が並んてしまうと、読みづらさがかえって強まってしまいます。
Googleなど検索エンジンは記事を単語単位で見ているわけではありません。つまり、共起語がたくさん含まれているからといって、必ずしも評価が高くなるわけではないのです。
ユーザーの検索意図に対して、きちんとした答えをわかりやすく提供することが大切です。ユーザーから見てどうかという視点さえ忘れなければ、共起語が自然に入った読みやすい文章になるでしょう。
共起語の活用法
共起語のメリットと注意点がわかったところで、どのように使っていけばよいか、その活用法を見ていきましょう。
外部ライターとの意思疎通に
専用ライターを自社で抱え込んでいるところもあれば、外部のライターに依頼するアウトソーシングを利用している会社もあります。
どちらにも長所と短所がありますが、外部ライターを雇った場合、ライターの質が定まらず、こちらの願いどおりの質の記事を上がってこないということが多々あります。そのようなミスマッチを少しでも減らすために、共起語を活用することを推奨します。
タイトルと構成ができ上がっている記事作成を依頼する場合でも、コンテンツに関連した共起語を合わせて提供しておけば、ライターは文章のイメージをつかみやすく、納品された記事の質もある程度保証されるでしょう。また、構成も含めて依頼する場合でも、同じように共起語を提示しておけば、テーマからそれほど外れることのない構成案が上がってくる可能性が高くなります。
新しいテーマの方向性を決めるために
自分で書く場合でも、共起語は助けになります。
新しいテーマのコンテンツを書くときは、タイトルからはじまり、見出しなどの構成を経てどこをゴール地点にするかなど、全体像を把握する必要があります。そのヒントとなるのが共起語です。
テーマとするキーワードを決めたなら、それと融和性の高い共起語を探すようにしましょう。共起語がたくさん見つかれば、共起語をグループ分けします。そうすることで、ひとつのキーワードに対して、角度の異なる記事を書くことでボリュームを増やすことができます。
また、共起語を組み合わせることで、深みのある記事を作成するのもより容易になります。
既存記事に足りない情報を洗い出すために
コンテンツを作成していくと、よく読まれているコンテンツとあまり読まれていないコンテンツが必ず出てきます。その理由として、Googleからユーザーにとって価値がないコンテンツと評価されている可能性があります。
そのような既存記事がある場合、共起語を使ってリライトしましょう。低い評価を受けているのであれば、情報としてなにが足りていないのかを調査しなければいけません。
そのために、Googleから高い評価を受けているサイトと自社コンテンツを比較し、上位サイトにはあって自社サイトには含まれていない共起語を洗い出します。足りていない共起語がわかれば、それを記事に含めることで、ユーザーにとってより有益な情報を提供できるでしょう。
また、共起語を調べるその過程で、どのサイトにもまだ含まれていない「お宝共起語」が見つかることもあります。その共起語がユーザーにとって有用なものと判断できれば、狙っているキーワードに対する唯一無二のコンテンツを作ることができます。
記事に共起語を含める方法
記事に含めることができる共起語が見つかったなら、できるだけタイトルや見出しに入れましょう。
Googleがキーワードに関係した記事とみなしてくれる可能性やユーザーがサイトを訪れてくれる可能性が高くなります。共起語を文章のなかに含めるときは、キーワードの近くに散りばめるようにしてください。
文章に共起語が入っていても、キーワードと文脈が異なる部分で使うと、テーマに関係のある記事を書いていると判断されるのが難しくなります。
共起語を調べるツール
ここまでで、共起語を使うメリットや使い方を見てきました。共起語は自分で考えることもできますが、労力がかかる作業になります。
こちらでは、共起語をよりかんたんに見つけることができる便利ツールを紹介していきますので、参考にしてください。
共起語調査ツール
SEO研究所サクラサクラボが提供する共起語検索ツールで、無料会員登録することで利用が可能になります。
ログインすると、共起語を検索する画面があり、キーワードを入力すると、それに対する共起語が出現回数の多い順に一覧で表示されます。うれしいことに、共起語を最大10件まで登録することができるので便利です。画面上にコピーボタンもあり、コンテンツにそのままペーストして貼り付けることもできます。
また、CSVファイルとしてダウンロード保存も可能です。登録したキーワードを再読み込みすることで、該当キーワードに対する最新の共起語を知ることができるのもいいですね。共起語を調べる以外に、サジェストワードの検索もできます。
共起語検索ツール
共起語検索ツール
https://neoinspire.net/cooccur/
シンプルなUIが印象的なツール。Googleの上位30サイトのなかから、検索したいキーワードの共起語ワードを抽出してくれます。
共起語それぞれの後ろに出現回数の表示があり、どのような共起語がキーワードと一緒によく使われているかがわかるようになっています。共起語をすぐに使いたい人のために、数字部分を省いたワードのみを表示したリストも用意されており、使い勝手はかなりいいです。会員登録も必要ないので、手軽に利用できます。
ミエルカ
1500社以上が利用しているSEO対策ツール。共起語検索ツールを国立大学と共同で研究しているので、キーワードにより高い精度でマッチングした共起語を調べるのが容易になっています。
ライバルサイトの分析や自社サイトの順位計測などもできます。有料制ですが、会員登録をすることで資料請求や無料トライアルができるので、試して検討するといいでしょう。
共起語分析ツール
共起語分析ツールは、使用回数の制限なしで使える無料の共起語ツール。調査したいキーワードを含んだコンテンツを分析して共起語を見つけ、出現回数が多い順にリスト表示してくれます。
さらに共起ネットという項目では、キーワードと共起語のつながりをネットワークの形で視覚化。ラインの太さでつながりの強さも表示しているので、キーワードと一緒に頻繁に出現する共起語が一目でわかるようになっています。拡大縮小もでき、より細かい部分も見やすくなっているのも便利です。
Facebookで反響の高い共起語だけを抽出する機能もついています。
AIテキストマイニング
AIテキストマイニング
https://textmining.userlocal.jp/
入力したコンテンツに含まれている共起語を抽出してくれるツール。たとえば、自社サイトのコンテンツをフォームに入力すると、そのコンテンツの中にある、それぞれのワードの関連性をネットワーク化して表示してくれます。
2次元マップもあり、コンテンツのなかで出現する傾向がよく似ているワードが近くに配置され、共通点があまりないワードは離れて表示されます。また、似ているワードは同じ色でまとめられており、どのグループに属しているのかがはっきりわかるようになっているのも便利です。
さらに、自社サイトのコンテンツと他社のコンテンツを比較できる機能もついています。ライバルサイトのコンテンツを入力すれば、そのコンテンツの共起語、出現回数、ワードのグループ分けをしてくれるので、自社コンテンツとの違いを視覚的に把握しやすくなっています。無料で利用できます。
まとめ
コンテンツマーケティングにおいて、SEO対策に共起語を使うことは今でも有用な方法です。適度に使えば、ユーザーにとって読みやすくて理解しやすいコンテンツを提供できるので、ページの滞在率も上がり、結果としてGoogleの評価も高くなる可能性があります。
また、ライティングの際に共起語を意識して書き進めると、方向性を見失わずにコンテンツの目指すゴールに向かうことができます。ただし、使いすぎは禁物。多用するとかえって読みづらくなるので注意しましょう。
共起語をすばやく探せるツールも紹介しているので、コンテンツ作成や既存記事のリライトなどに上手く活用してください。
共起語を意識しながら書け、ってことか〜
この記事を描いたひと
企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。