今マーケティングで重視される「UGC(ユーザー生成コンテンツ)」とは?

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マーケティングは時代の移り変わりにより少しずつ変化します。

今、マーケティングで重視されているのは「UGC」と呼ばれるユーザー生成コンテンツです。インターネット上における個人ユーザーの情報発信による影響力が強くなり、より生の声を聞けるようになりましたが、良い部分も悪い部分も混在しているのが現実と言えるでしょう。

今回はUGCとは何か、企業やブランド、そしてユーザー・一個人としてUGCをどのように取り扱うべきかについてご説明します。

UGCとは何か

UGCとは何か

UGCとは「User Generated Contents」の頭文字を取った略称であり、直訳するとユーザー生成コンテンツと言う意味になります。ユーザー生成コンテンツとはSNSやショッピングサイト、その他のオンラインサービスを利用して、インターネット上で公開される「画像・文字列・動画・音声」など、個人のユーザーが自発的に投稿や情報発信したコンテンツです。

例えばTwitterのつぶやきAmazonのレビュー食べログの口コミなどが挙げられます。

昔と比べて、SNSやソーシャルメディア、インターネットの噂や口コミの信頼性、ユーザーの声がユーザーに届くということが、どのような影響を持つのかチェックしてみましょう。

SNS・ソーシャルメディアの影響力が大きくなった

ほとんどのSNS、すなわちソーシャルネットワークサービスでは基本的に無料で利用可能であり、現在では生活に根強く浸透しています。昔で言えば、みんなが新聞を読み、テレビを見ていたように、今はスマートフォンのアプリやブラウザで情報収集するのが当たり前になりました。

LINEやFacebookでは、単なるメッセージ機能だけでなく、無料の音声通話、ビデオ通話の機能もあるので、SNSのアプリで電話やメールなどの個人間のコミュニケーションが、まるでインフラかのように動いている状態です。SNSでは情報を発信するという感覚より、気持ちや考え方、感じたことなどを共有することでお互いに「有益な情報が得られる」という感覚や認識も広まっています。

個人の情報を個人が届けるためにいいねやRT、シェアを率先して行っていることから、個人の声だけでなく、企業やブランドの商品、インターネット上のサイトやアプリのゲームなど、SNSの反響次第で売上やダウンロード数に違いが出てしまうほどの影響力があります。

インターネットによって噂や口コミが信頼性を持つ

SNSやUGCを含むオンラインサービスによって、例え匿名であっても噂や口コミが信頼性を持つようになりました。良くも悪くも、噂や口コミの良し悪しに関わらず、多くの声が上がっていたり、共感する声が増えていけば、商品やサービスの実際の質と関係なく、信頼されてしまうということです。

同時に、良すぎる口コミを忌避するようなユーザー、逆に口コミをまったく信じないユーザーもおり、情報の取捨選択が他のユーザーの判断の一部になっていることこそUGCの強さ、影響力の大きさとも言えます。なぜなら、何も言われなければ買った、もしくは買わなかったものを、噂や口コミのおかげやそのせいで、購入する判断を悩ませているからです。

ユーザーの声がユーザーに届く時代

ユーザー、すなわち個人一般の方がホームページやブログなどで情報発信することは今までもありました。

しかし、ある程度インターネットやパソコンの知識がないとオンライン上で情報発信することは難しかったと言えます。現在ではスマートフォンやタブレットなど、パソコンではないデバイスでも高速、しかも簡単にインターネットに接続できるようになりました。

同時に、HTMLやCSSといったホームページやブログの根幹部分を知らなくても、SNSやオンラインサービスを利用することで誰でも気軽に情報発信ができるようになったため、今まで届きにくかったユーザーからユーザーへの声が届きやすくなったのです。

企業やブランドとしてUGCの取り扱い方

企業やブランドとしてUGCの取り扱い方

UGCはユーザーがコンテンツを作ってくれるので、オンラインメディアによっては無料でWebページが生成される仕組みを作れます。企業やブランド側からすれば、ユーザーが任意で情報発信してくれるので、やはり無料で広告効果があると言っても過言ではありません。

ただし、UGCについては良い一面もあれば悪い一面もあり、メリットとデメリットの両方を受け入れながら、企業やブランドとしてUGCをどのように取り扱うべきか考える必要があります。

ユーザーがコンテンツを作ってくれる

UGCは例えばSNSを通じて、Twitterならつぶやき、Facebookの投稿、ショッピングサイトであれば、楽天やAmazonといった評価やコメントの形でユーザーがコンテンツを作ってくれる仕組みです。単純に感謝の気持ちを表現するユーザーもいれば、商品は良かったけれど企業やブランドの対応が悪かった、またはその逆など思い思いにコンテンツを作ります。

嬉しかったからつぶやいてみたり、良い評価や良いコメントをするのはごく自然なことであり、その逆の切ない気持ちや嫌な気持ちになったことを込めんとするのも、やはり自然な流れと言えます。

ただし、どんな形であれ基本的には商品を購入した人、またはサービスを体感した人や楽しみにしている人、簡単に言えば興味を持っている人がコンテンツを作ってくれるので、潜在的な顧客層(リード)か継続的な顧客層(リピーター)であることは間違いありません。

良い評価だけでなく悪い評価もプラスに受け止める

Aamazonを例にすると、Amazonは自社の製品もありますが、基本的には総合的なショッピングモールのようなものであり、どちらかと言えば商品ごとにWebページが生成される形です。商品毎のページに☆による評価とコメントが付けられるようになっており、それを見て未購入や検討中のユーザーが判断する可能性があります。

もちろん、良い評価やコメントもあれば購入するかもしれませんし、逆にユーザーの苦情やクレームのようなコメントであれば、購入を控えるかもしれませんから、企業やブランド側からすれば悪い評価は付けられたくないものです。

だからこそ、ユーザーがコメントしてまで伝えたかったことを真摯に受け止めて、しっかりと対応することで、ユーザーのもやもやした気持ちが取れれば、さらなる売上に繋がるような仕組み作りが可能となります。

企業やブランドとしての公式発表が重視される

TwitterやFacebookのRT、シェアによる影響は非常に大きく、企業やブランドとしての情報発信した内容によって、ポジティブにもネガティブにも広がりやすくなっています。例えば、単純に新商品の発表をしただけで、楽しみにしているユーザー、常日頃からのファンの方が新商品の情報について情報発信してくれれば、フォロワーや友達に自然な形で届くようになります。

逆に、ちょっとしたことでもネガティブな内容が投稿された場合、思わぬ広まり方を見せれば収集がつかない事態に陥ることもあり、企業やブランド、またはメーカーとして、個人の対応さえも、SNSで投稿されてしまうことに注意しなくてはなりません。同時に、企業のSNSアカウントが注目を集めて、ファンやリピーターを増やしているパターンもあります。

企業やブランドとして愛される形が増えたと考えることで、より一層、ユーザーとの距離が縮まり、ユーザーの声が届きやすくなれば、企業努力もやすくなり、結果として売上の増加やブランドイメージの向上に繋がるでしょう。

ユーザー・一個人としてのUGCの取り扱い方

ユーザー・一個人としてのUGCの取り扱い方

普段からSNSやオンラインショッピングを使う側、ユーザーや一個人としてのUGCの取り扱い方としては、単純に情報を発信する側と情報を受信する側の両面から考える必要があります。

インターネットに完全な匿名はありません。

しかし、インターネットを見ていると、匿名だと勘違いして、真偽の定まらないような情報が乱立しているのも事実です。実際にユーザー・一個人としてどのような形で、双方が匿名、または実名であったとしても、どのように取り扱うべきなのかチェックしておきましょう。

匿名性を過信して悪ふざけをしないこと

SNSやショッピングサイトの口コミでは、ペンネームやユーザーネームのような形で匿名で投稿できるものが多いです。

また、気軽に、そして簡単に投稿できる仕組みになっており、リアルタイムで「今」感じたことを「今」投稿することができます。しかし、実際には実名や個人が特定されにくいだけであり、プロバイダや携帯キャリアの接続ログには誰がどこに何時に接続したかはまるわかりです。

匿名性が高いと過信や勘違いして悪ふざけしてしまうと、正当な理由や状態、状況を持つ人から損害賠償や慰謝料の請求などが行われることも考えられます。単なる風評被害で済まず、誹謗中傷の的になる場合もありますから、自分の発言には充分に注意し、責任を持ちましょう。

気軽に簡単に投稿できてしまうからこそ、一呼吸置いてから確認ボタンを押したり、人を傷つけたり、攻撃的ではないか、自分の思惑や意図とは違う形で受け止められないかをよく考えるようにしてください。

良い評価を鵜呑みにし過ぎないことが大切

インターネットでは困ったことに、悪い商品やサービスでも良い評価を付けることで購入やサービスの利用に繋がるということをしっている悪徳業者がおり、本来であれば善意で真実であるべき情報に虚偽が混ざることがあります。

同時にお互いに匿名なため、真偽がわからないのに文章、言葉遣いに騙されてしまうことで、本来であれば購入すべきだった商品を購入しなかったり、不必要な商品を購入させられたりしていまします。

どちらにしても、どんな商品やサービスでも、個人毎の受け止め方や感想は違いますので、話半分とまでは言いませんが鵜呑みにしすぎないことが大切です。

また、疑心暗鬼になりすぎる便利なサービス、便利な商品など、手に入れて入れば嬉しかったり、楽しくなるもの、役立つものを手に入れるチャンスを失うことにもなりますから、気軽な気持ち、自分の心や直感を信じることを忘れないようにしてください。

何気ない意見が予想以上に広まることに注意

インターネットでは、本人の意図や真意とは違った形で受け止められてしまったり、曲解されることで何気ない発言や意見が炎上してしまうことがあります。逆に、本心であるとしても同じように予想以上に広まることもありますから、やはり情報を発信する時は注意が必要です。

また、曲解された情報を見てしまうことで、本来の意図とは違う受け止め方をしてしまう可能性もあります。情報を発信する側、受信する側の両面から、情報の取捨選択について自分の基準や軸を持つようにしましょう。同時に本人が言っていることが正しくても、伝え方によって伝わり方が違うこともありますから、物事を柔軟に捉えることもユーザーとして必要な資質となります。

しかし、基本的には「他の人の楽しいことや嬉しかったこと」を共有したり、実在するユーザーの生の声が聞けるというメリットの方が多いですから、ちょうど良い距離感で信頼を寄せながら、上手に付き合うようにしましょう。

まとめ

一昔前の特定の人しかインターネットで情報を発信できなかった時代から、誰でも情報を発信できる時代になったことにより、UGCを重視する必要がでてきました。注意点としては、UGCは本来、ネガティブなものではなく、ポジティブなものとして取り扱うべきということです。

また、ネガティブに感じる情報もただの嫌がらせでなければ、必ず原因と理由があります。

企業やブランド、メーカーとして感情的にならずに、きっちりと対応することができれば、ブランドイメージが良くり、信頼感や安心感を獲得することが可能です。個人の方の場合は、自分の発信する情報に責任を持つこと、同時に他の人が必ずしも責任を持って、正しい情報を発信しているとは限らないということを覚えておきましょう。

ユーザー・一個人の方も企業やブランド側の方も、UGCを上手にコントロールして、ポジティブな結果を得られるよう意識してみてくださいね。

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この記事を描いたひと

untenna編集部

企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。

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