大学・専門学校を中心にWebコンサルや運用支援を行うチームの様子をお伝えする企画第二弾。前回は「Z世代に刺さるコンテンツって何だろう?」と題し、チーム全体で座談会を実施しました。
今回は制作環境にスポットを当て「バナーデザインができるまで」をお届けしていきたいと思います。
Webコンサル・運用チーム
種本 美里(デザイナー):ちいかわファン 平田 希(ディレクター):無類のリプトン好き
インタビュアー
丸山 享伸:SNS公式アカウント中の人
Webコンサル・運用支援チームのバナーづくり
はい、久しぶりに大阪へ来ました。
お久しぶりです。(残念ながら今日は僕がリモートですが笑)
ではまずは、種本さんの普段の業務内容を教えてもらえますか?
大学・短大・専門学校といくつか担当させていただいてる学校があるんですが、主にはWebサイトやWeb広告で使用するバナーデザインを担当しています。
たとえばオープンキャンパスであれば専用ページのキービジュアルから始まり、SNSのアイキャッチやWeb広告の配信バナーにあたるものです。
ディレクターさんからBacklog(プロジェクト・タスク管理ツール)で依頼を受け、設定された期日までに作成・提出するのが大きな流れです。
ありがとうございます。
作業はBacklog起点なんですね。制作するバナーの数は1日どれくらいですか?
時期によりますが、メインとなるのは3〜4つくらいでしょうか。あとは媒体やサイズ展開用にパターンを作り変えています。
多くの学校ではWebコンサルのご契約をいただいていて、毎月ミーティングが実施されます。その中から課題や施策が浮上し、制作フローへと流れていきます。
毎年決まった時期に行われるイベントもあるため、オープンキャンパスなどの時期は作業が多くなりやすいですね。
年間スケジュールでの定期的なイベントは1つの軸になっていそうですね。
ちなみに広告はどういった媒体に配信を?
Google、Yahoo、Instagram、Twitter、LINEが中心になります。また、静止バナーだけでなく動画バナーやインバナーもあります。広告サイズが違うので、基本的には約10サイズ作ってもらっています。
10サイズ展開ですか、すごい!
以前は学校ごとに使用するバナーのみを作ってもらっていました。
ただ、PDCAを回す中で全サイズを作っておくと後の追加や提案時のレスポンスが担保でき、運用面でも有効的だと分かってきたんです。
配信先もトレンドによって左右されるのでデザイナーさんへの負担は大きいかもしれませんが、それでも視認性や可読性にも配慮したデザインに仕上げてもらえて本当助かってます。
300ピクセル以下のサイズは割と苦労します。デバイス間での印象も異なるので、文言や写真のバランスは頻繁にチェックすることが多いです。
慣れの問題かもしれませんが笑
「PDCAを“確実に”まわすための仕組み」になってるんですね。
それを「慣れ」と言える制作者のマインドに圧巻ですが!
事例紹介:デザインのビフォーアフターを見てみよう
これまでに制作したバナーで、何か事例として紹介できるものありますか?
Before・Afterで紹介できるもので言えば、大阪デザイン&テクノロジー専門学校さんの「冬季オープンキャンパス」です。
こちらはBefore↓
デザイン系の専門学校の場合は学生作品を使わせていただくことが多く、この時も冬らしさがあるものを選定しました。
イラストが和風テイストなので、バナー全体の雰囲気も和風に寄せて作りました。
え、これがビフォー?良くできてる気がするけど・・・
私もデザイン的には綺麗にまとまった感覚があるんですが、実際には「冬っぽさは出てるけどオープンキャンパスの“楽しい雰囲気”は弱いかな〜」とフィードバックをいただきました。
反省点としては、学生作品にデザインを合わせる事に意識が向き過ぎていたなーと思います。
「楽しそうな雰囲気」はどうしたら出るんだろ?って一緒に考えたよね。
あ!確かに「楽しそう」な感じが反映されてる!
くすみのある青色を鮮やかな青色に変えて、特別な冬の印象を出せたらと差し色にゴールドを入れて煌めきをプラスしました。
学生作品も別の作品にする方が雰囲気が変わると思ったので、雪だるまを抱えたかわいい女の子のイラストを使用したりと・・・
なるほどな〜。
イラストに合わせてデザインするのはある意味“それっぽく整える方法”で、一方ではデザイン本来の「感情を揺さぶる」には直結しづらいテクニックなのかも。
本当そうですね。
ビフォーもデザインとしてはすごく素敵だけど、背景を踏まえて目的を果たしているのはアフターの方で。長く改善・提案を行っているサイトだからこそ、お客さんやエンドユーザーの要望を汲んで期待に応える工夫を続けていきたいと改めて思いました。
情報の集約が「共通認識」に繋がり、コミュニケーションや品質に好影響をもたらす。
種本さんはデザインの参考など、情報収集はどうやってしてるんですか?
Pinterestやバナーデザインの参考サイトを見ることが多いですね。あとは雑誌が読めるサブスクに登録しています。
雑誌はターゲット層が絞られていて流行を追いやすいですし、特集ごとにデザインが違うので表現の参考にも良いですね。
そうやって収集した情報を、チームのEagleにまとめていてると。
そうですね。インプットの参考資料が同じだと、ディレクターさんからの“こんな感じ”が理解しやすいので。
これまでにも「っぽいバナー共有会」や「Z世代研究会」などを実施してきて、今はデザインのトレンドやツールのお役立ち情報などをチーム内で定期的に共有しています。
ディレクター目線で言えば、デザイナーさんに制作したバナーを意図から発表してもらっているのも大きいと思います。
制作意図を聞くのは言語化の参考にもなりますし「このデザインを作る時はこう考えているんだな」の発見になります。
はじめはZ世代への理解を深めるために実施したことなんですが、インプットする情報を揃えていくと共通認識に繋がってきたのはチーム全体での発見でもありましたね。
価値観や暗黙知を共有していくと社内の手戻りも少なく円滑になりそうですね。デザイナーとディレクターの注目するポイントも違ってたりして面白そう。
Webコンサルをしていると1つのイベントにも色んな切り口で考えるので、なかなか“一般的”な中心意見って共有しづらいんですよね。
だからこそ、情報共有はほんと大切で「何が好きでどういう性格なのか」がお互いに見えてくるので、だったらこんなふうに伝えてみよう!今はちょっと悩んでそうなのこの仕事をお願いしてみよう!と考えやすくなると思っています。
確かにスランプ気味の時も、すぐに見抜かれた気がします・・・笑
コミュニケーションの円滑にも繋がってる、ってことですね笑
手戻りが減り、その分クオリティに使える時間が増えているのはかなり良いですね。「お客さんにとってもチームにとっても良い環境を自分たちで作っている」と改めて実感しました。
ありがとうございました!
インタビュー後記
Webサイトの運用・改善を行う上で「PDCAの円滑さ」を理解することができました。
成果を求められるからこそ戦略だけではない社内の環境整備から取り組む必要性があると、インタビューを通じて感じ取ることができました。
時代背景的にも学校を取り巻く環境は年々複雑化していますが、お互いにWin-Winとなれる環境づくりをこれからも継続して欲しいと思います。
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(実はバナーデザイン苦手勢です…)
この記事を描いたひと
企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。
Webコンサル・運用支援チームのコンテンツ企画第二弾は「バナー制作について」。デザイナーの種本さん、ディレクターの平田さんへ質問していきたいと思います。
種本さんは普段フルリモートで、今日は久しぶりの大阪オフィスへの出社ですね。