【入門編】今さら聞けないコンテンツマーケティングとは?定義や事例など
WEB界隈には〇〇マーケティングという手法が多く存在します。メールマーケティング、インバウンドマーケティング、ダイレクトレスポンスマーティング、エクスターナルマーケティング・・・。どれもつい単語からイメージを連想させ簡潔的に理解しがちです。
ここ数年で最も注目されている手法としては「コンテンツマーケティング」ではないでしょうか。企業やサービス、個人などあらゆるものがコンテンツ化されていく現代。“ただブログを更新する”だけではない普遍的なマーケティング手法「コンテンツマーケティング」について、改めてイチから学びなおしてみましょう。
コンテンツマーケティングの定義
「コンテンツマーケティング」とは一体いつ頃から言われるようになったのでしょうか。またコンテンツマーケティングとは具体的にどのような手法なのでしょうか。SEO?バズらせるコンテンツを作り上げること?ブログを書くこと???様々な考え方があります。
源流であるアメリカのContent Marketing Instituteではこう述べています。
Content marketing is a strategic marketing approach focused on creating and distributing valuable, relevant, and consistent content to attract and retain a clearly-defined audience — and, ultimately, to drive profitable customer action.
引用:Content Marketing Institute
コンテンツマーケティングは、価値ある関連性の高いコンテンツの作成と配布に重点を置いた、戦略的なマーケティング手法であり、明確な顧客層を引き付けて保持し、最終的には収益性の高い顧客行動を促します。
少し複雑な言い回しですが、「価値ある関連性の高いコンテンツ=ユーザーの欲しい情報」「明確な顧客層を引き付けて保持=ファン化」と捉えるとわかりやすいかと思います。
つまりユーザーが欲しい情報、読みたい・知りたい情報を提供し続けるのがコンテンツマーケティングの定義と言えます。
コンテンツマーケティングとコンテンツSEOの違い
コンテンツマーケティングの定義が分かったところで、次によく耳にする密接な関係にありそうなキーワード「コンテンツSEO」について調べていきましょう。
コンテンツSEOとは
コンテンツSEOとは、外部リンクに頼ったSEO(ブラックハット)に対し、外部リンクに頼らずサイト内部のコンテンツを充実(ホワイトハック)させ集客を行うマーケティング手法です。キーワードを網羅しアクセスアップを図ることが目的となり、サイト全体のアクセス・PV向上を狙います。
よくある間違い
「関連のキーワードが入った記事を量産し、サイト全体のアクセスUPを図る」ことをコンテンツマーケティングと認識されている方がよくいます。
コンテンツSEOでは最終目標がアクセスアップ・PV・キーワードでの検索上位表示になります。対し、コンテンツマーケティングの最終目標は「潜在顧客の獲得」であり、コンバージョン(購入・契約)が向上しミッション完遂となります。
欲しい情報、読みたい・知りたい情報を提供することで、SEOは必ず向上しますが、SEOが向上したからと言って潜在顧客が獲得できるとは限らないのです。
コンテンツマーケティングのメリット・デメリット
一見当たり前のことを当たり前のようにするコンテンツマーケティング。シンプルな手法のため、導入も軽量なのが魅力でもあります。ここでは導入にあたってのメリット・デメリットを紹介します。
メリット
- 集客しやすく宣伝・広告にも絡めやすい。
- キーワードがSEOとして蓄積されていく。
- ソーシャルメディアとの相性が良い。
- ファン化することができる。
デメリット
- 実際の効果を感じるのに時間がかかる。
- “良質なコンテンツ”を作るリソース確保が必要になる。
- 一度開始すると方向転換が効きづらい。
以上のことを踏まえ、ブランド力が弱く広告や宣伝にあまり費用をかけられない企業や業種には、相性の良い手法だということがわかります。
コンテンツマーケティングの事例
北欧、暮らしの道具店
http://hokuohkurashi.com
コンテンツマーケティングの事例の中でも代表的なサイトです。ECサイトや物販はコンテンツマーケティングに向いている業種と言えるでしょう。“暮らし(スタイル)の提案”を主体とし、運用においてターゲット先にあるファン化が明確な目標になっていますね。
サイボウズ式
http://cybozushiki.cybozu.co.jp
サービスに関わる「働き方」や「チームワーク」をテーマに、柔軟なコンテンツづくりをされるサイボウズ式。企業とコラボレーションを行ったりと、今や業界の意識変容にも貢献しうるメディアに位置づけています。
LISKUL
http://liskul.com
実際のリスティング広告現場での活用や事例を紹介する学びのあるメディアです。現場のリアルな声がそのまま記事に反映されているため、オリジナルコンテンツとしての信頼や価値も高く、ユーザーも納得しやすいコンテンツになります。ジャンルの幅を広げ過ぎず注力しているため、キーワードとしてSEOも強くなっています。
ニキペディア
http://nikipedia.jp
ニキビの症状を基礎情報から対策・予防法まで、幅広く紹介し役立つ情報をお届けするメディア。ニキビケア用品のメーカーだからこそできる、多角的な情報展開。コンテンツひとつひとつの関連性が高く、非常に参考になります。
コンテンツ追加で押さえておくべきSEO施策
記事のタイトルやメタ設定
あくまでサイト上でコンテンツを追加するわけなので、コンテンツ追加においてSEOは切り離せない問題です。もちろんSEO主体で、本来の「ユーザーの欲しい情報」を提供できないとなると本末転倒です。そのためにも以下条件は最低限抑えておきましょう。
- ページタイトル<title>や見出しにはキーワードを入れる。
- ページの概要<meta>情報は必ず記入
- 画像の詳細(alt)にはキーワードを挿入。
- 読み手のことを考え、分かりやすい文章を意識。
ソーシャルメディアで拡散
Facebookやtwitter、Line@でも良いでしょう、記事公開後は必ずSNSでも拡散しましょう。それぞれのSNSの特質に合わせた投稿を行い、より多くのリーチを見込めるようにしましょう。
SNSの導入ポイントについてはこちら↓
企業・WEB担当者がSNSを導入して活用するまでに抑えておきたい5つのポイント。
https://www.unionnet.jp/knowledge/social_network01/
コンテンツマーケティングの時代はもう終わる?
2014年頃から爆発的に注目されてきたコンテンツマーケティングですが、一方では「コンテンツ過多により、これからは淘汰される」と言われ限界説もささやかれています。これには情報をまとめたキュレーションメディアの増加も拍車をかけ、よりコンテンツの存在価値が見直されています。
しかしユーザー側では、コンテンツ価値云々ではなく、ユーザー側の正しい情報に辿りつくことが重要視されています。
コンテンツマーケティングの概念に立ち戻ると、ユーザーの欲しい情報を図書館のように用意し呼び込む仕組みづくりになります。そう考えると淘汰されるというよりも「当たり前」も戻る感覚ではないのかな。と感じます。
まとめ
言葉単体で捉えてしまうと「流行」イメージが先行しがちなコンテンツマーケティング。SNSやキュレーションメディアの普及により賑わいを見せているコンテンツマーケティングですが、情報を届けるべきターゲット層は企業として変わらないかと思います。
「これから2極化していく」「次のブームに」との様々な意見がありますが、どのターゲット層に何を伝えるためにコンテンツを作り上げるのか、正しく理解しWEB戦略をしていきましょう。
この記事を描いたひと
企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。