注目しておきたい2017年のトレンドになりそうなマーケティング手法
年が明け、心機一転新たな施策を考案しているマーケッターも多いのではないでしょうか。2016年はポケモンGoやVR、インスタグラマーなど体験するデジタル領域に賑わいを感じました。反面、キュレーションメディアでの盗作も問題視され、増産されるコンテンツの真意が問われる年だったと思います。
WEBサイトでは複雑化する顧客の行動心理を捉えるカスタマージャーニーの考えが今は不可欠となっています。
そこで今回は、WEBサイトにおいて2017年に注目しておきたいマーケティング手法を紹介していきたいと考えています。
インフルエンサーマーケティング
バズマーケティングと言われることも多く、影響力のある人物が商品やサービスに対して紹介・言及することで、周囲への関心や認知を広げる手法。ユーザーの共感を非常に得やすい特長があり、例えば著名なインフルエンサーをあげるとtwitterでは堀江貴文さん(@takapon_jp)、インスタグラマーでは渡辺直美さん(@watanabenaomi703)が代表的です。
また広義の意味ではネイティブ広告に分類されます。
インターネットには様々な「広告」が存在し、その初期から代表されるものにディスプレイ広告があります。広告らしい広告なためスマートフォン普及に伴うディスプレイ制限により、ユーザーから嫌われる代表格となってしまいました。
そこで登場したのがネイティブ広告。提供するサービスに馴染むように、ユーザーはもちろん他コンテンツの利用を妨げない形で、キュレーションサイトやアプリなど、近年のサービスでは主流になっています。
インフルエンサーとステルスマーケティング(ステマ)の違い
その昔、芸能人が「この商品いいよー!」とやらせ記事を書き問題になったことを覚えていますか?(※ペニーオークション詐欺)
そう、あれこそステルスマーケティングです。インフルエンサーマーケティングと“何が違うのか?”と疑問を持つ方も多いでしょう。ステマの最大の問題点は「宣伝であると消費者に悟られないように宣伝を行うこと」。ここを明記するかしないか、が大きなポイントとなります。インフルエンサーマーケティングは「広告表記」「広告者の明記」が必須になります。
しかし実際のところユーザーからは「ストレスを感じる」「だまされた気分になる」との声が多いのも確かです。より正しい情報が必要とされる今、ビジネスとしてコンテンツを取り扱う場合、相手にとってもメリットのあるWin-Winの関係を目指すべきでしょう。
インフルエンサーマーケティングの成功事例としてフリマアプリ メルカリがよく取り上げられます。
YouTuberを同時に10名以上起用し“メルカリで得た売上で商品を買う”、サービスの使い方ではなく「サービス利用で起こる体験・行動」を映像化することで爆発的な成果をあげました。
消費者の動向変化に合わせやすい特徴も持つインフルエンサーマーケティング。
リーチ数やオリジナルコンテンツ力を考慮したインフルエンサーマーケティングは、2017年もまだまだ効果のある手法でしょう。
イベントマーケティング
リアルイベントでユーザーを繋ぎコミュニティを創る、そこにしかないコンテンツを生み出す。コンテンツのデジタル化が高まる今、リアルに労力を費やすことに、やや違和感を感じる方も多いでしょう。しかし、これまで興味のある者にしか存在しなかった閉鎖的なコンテンツが、AR(仮想現実)やSNSの普及により、体験や時間を容易に共有できるようになりました。例えばイベント会場にてフォトジェニックな空間をつくりあげ、そこで体感したことを写真・動画と共にシェアする。
InstagramのハッシュタグPRも代表的なイベントマーケティングと言えるでしょう。
ここでイベントマーケティングについて、メリット・デメリットをあげてみます。
イベントマーケティングのメリット・デメリット
メリット
- デジタルにはないリアルな体験を提供できる
- PR効果が高い
- 顧客へのリーチ力が高い
- 位置情報を活用したターゲティングが可能
- 結果をコンテンツ化しやすい
デメリット
- 集客により結果が左右されやすい
- 広報・宣伝活動が必要になる
- コスト・手間がかかる
- 社内・スタッフへの呼びかけが重要
- スピードが落ちる
集客と効果が顕著に比例するのがイベントマーケティング最大の特徴。宣伝活動やコスト面での課題も多く存在しますが、何よりも大切なのは「社内からの協力」になります。呼びかけに対し労力こそ費やしますが、社内を巻き込みスピードと行動力に拍車をかけるようにプロジェクトを進行させることがポイントとなります。
マーケティングオートメーション(MA)
マーケティングオートメーション(MA)とは、企業のマーケティング活動において、これまで人力で計測・収集していたデータ結果を自動処理するサービス・ツールのことを言います。マーケティングオートメーションの導入によりBtoBの分野では、生産性を向上させ人件費やコストの削減を可能にしています。
近年セールスフォース・オートメーション(SFA)や顧客管理(CRM)を導入する企業が増え、顧客のロイヤリティを向上させるOne to Oneマーケティングへの注目も上がりました。よりパーソナライズな戦略を実施するために、一定の「計測・解析」はツールに任せ、戦略に注力することが必要です。
主な活用例
- WEBサイトへの訪問者を見込み客(リード)とし、プロフィールやコンテンツ毎に振り分ける
- 特定の行動や条件によって、ユーザーを出し分ける
- ステップメールなどメール配信の自動最適化
ツールにより自動出し分けが可能・不可能ありますが、中長期的な戦略計画の手助けとなります。
代表的なマーケティングオートメーションツール
Marketo
1つのプラットフォームで顧客のスコアリングからSFA、メール配信・広告まで多機能なツール。
https://jp.marketo.com
Adobe Marketing Cloud
機能がツール毎に存在し、他社ツールと組み合わせたり、カスタマイズ性の高いMAです。
http://www.adobe.com/jp/marketing-cloud.html
Salesforce Marketing Cloud
導入時の構築にやや不安が残るものの、システムには充分な拡張性があります。
http://www.salesforce.com/jp/marketing-cloud
HubSpot
インバウンドマーケティングに強く、見込み客の獲得に特価したツールです。
http://www.hubspot.jp
※ツールは2017年1月現在のものになります
MAツールの進化は非常に早く、機能の増減が頻繁に行われます。自社に合ったツールを見つけ、日々の業務を効率化していきましょう。
まとめ
その他にもライブストリーミング、AI(人工知能)、チャットボットなど、注目すべきマーケティング手法は数多く存在します。いずれもここ数年注目され続けているマーケティング手法ですが、今回は各マーケティング手法でビジネスにおいて安定的に活用できる成熟期に位置するものをピックアップしてみました。
WEB戦略において業務が多岐に渡り、目標を達成するために必要となる情報もより多くなってきました。情報を素早く収集・計測するために、いずれも便利な手法になりますが、WEBマーケティングの知識も併せて学ぶことでより効果を期待することができるでしょう。
この記事を描いたひと
UNIONNET Inc. 代表。デザイナー、広報を経て、2017年にWeb制作会社を事業承継。採用や組織づくりについて考える三児の父です。
@maruyaman1984