顧客体験を言葉でつくる「UXライティング」とは?
昨今、UXデザインやUXリサーチなど、UX(ユーザーエクスペリエンス=顧客体験)にまつわる言葉がよく使われるようになりましたが、最近では「UXライティング」という言葉が徐々に注目され始めています。
UXライティングとは「顧客体験におけるライティング」、つまり「ユーザーの体験を言葉で設計すること」です。
今回はプロダクト設計においてとても重要なUXライティングについて、WebデザイナーやWebマーケター、ライターがどのように活かせるのか解説していきます。
UXライティングとは?
Webに関わる人であれば知っておくべき「UXライティング」とはそもそも何なのでしょうか?
UXライティングとは、ユーザー(読み手)の体験を助け、体験の価値を高めるように配慮した文章の書き方、技術のことをいいます。
引用元:ビジネスマンのための新教養 UXライティング
ビジネスの領域や案件の内容によって要件は変わりますが、「サイトに訪れたユーザーの気持ちに寄り添って言葉を選び文章を作る」ことには変わりありません。
例えば、
- 登録時のスタートガイド
- ボタン
- 画面上の説明文
- 通知
などの言葉によって、ユーザーが迷うことなく目的の行動に移すことができるのかが大きく関わります。
このようにユーザーとのあらゆる接点で必要となる文章は全てUXライティングの手法に則って書かれます。
UXデザインとの違い
「UXライティング」という言葉にはなじみが無い方でも「UXデザイン」という言葉は聞いたことがあるのではないのでしょうか?
UXデザインとは、ユーザー体験をデザインすることであり、システムや製品などの開発で使われる考え方です。UXライティングはユーザー体験を言葉や文章で作ることなので、広い意味で言えばUXライティングは「UXデザインの一貫」ということになります。
つまり、UXライティングの考え方はUXデザインにもそのまま活かすことができます。
UXライティングのアプローチ方法
UXライティングが何かは分かっても、具体的にどのように書けば良いか分からないという方は多いでしょう。そこでUXライティングのプロセスについて解説していきます。
UXライティングはUXデザインの一貫なので、HCD(Human Centered Design=人間中心デザイン)プロセスと呼ばれるフローで文章を作っていきます。
- 利用者・対象者を正しく知る
- 問題を定義する
- 問題解決のためのライティングをプロトタイピングしながら行う
- 文章が機能しているかを評価する
つまり、ユーザーの属性を正しく把握したうえで、ユーザーの悩みや問題点を解決できる文章を書くことが重要になります。
UXライティングをするうえでは、ユーザーの日常の感覚に合わせた言葉選びが必要です。ただ文章を淡々と書けば良いということではなく、人間らしく書く技術によってプロダクトとユーザーの距離を近づけることができます。
UXライティングを学びたい方へ
UXライティングを書籍で学ぶというのもアリですが、一番効果的なのは自分が日常的に使っているプロダクトの文章を思考してみることです。
例えば、文章の書き方や言葉の選び方などに注目して、「自分だったらこんな文章を書く」、「どうしてこの言葉を使っているのだろう?」などと色々考えてみると良いでしょう。今まで気付かなかったプロダクト制作者の意図を読み取れるようになれればその視点をUXライティグに取り入れることができます。
もし、書籍で知識をガッツリ学びたいという方はこちらも参考にしてみてください!
ビジネスマンのための新教養 UXライティング
UXライティングの教科書
ユーザーの心をひきつけるマイクロコピーの書き方
顧客体験を言葉で作る「UXライティング」まとめ
今回は昨今ビジネスでよく使われるようになった「UXライティング」についてまとめました。
ユーザーに行動を起こさせるにあたって「ユーザー体験をデザインする」という考え方はとても重要です。
Web制作に関わる方はもちろん、サービスを運営している方やライティングのスキルをより高めたいという方はこれを機に「UXライティング」を学んでみると良いでしょう!
とりあえず「HCDプロセス」を覚えよ
この記事を描いたひと
企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。