企業は採用のために、様々な求人媒体を使って自社への応募を増やす活動をしています。
昨今は一人一台以上のスマートフォンを所有していることが珍しくないような状況で、インターネットを通じて直にコミュニケーションをとる機会が大変増えてきました。そのような時代背景において採用のためにSNSを利用する「ソーシャルリクルーティング」という手法が注目されています。
このページでは、このソーシャルリクルーティングという手法についてお伝えします。
ソーシャルリクルーティングとはどのような手法か
ソーシャルリクルーティングとは、ソーシャルネットワーキングサービス(社会的ネットワークの構築に使われるWEBサービス)を利用した採用活動の事を言います。通常のWEBコンテンツとの違いとして挙げられるのは、関係性構築に主眼がおかれているため一方的な発信ではなく双方向のコミュニケーションをとる事ができる点です。
ソーシャルリクルーティングにおいては、各種ブログやFacebook・twitter・Instagram・YouTubeといったサービスがよく利用されます。
なぜソーシャルリクルーティングなのか
ではなぜ昨今ソーシャルリクルーティングという手法が注目を集めているのでしょうか。
インターネットを利用して多様な情報を得るユーザーが増えた
前書きですこしお話ししたのですが、昨今はスマートフォンの普及にともなって、インターネットにアクセス可能なユーザーが爆発的に増えています。
たとえば新卒採用を考えると、スマートフォン普及より前には、パソコンを持っていないユーザーは学校などのパソコンを使って限られた時間で情報を閲覧するといったことが普通でした。
しかし、スマートフォンが普及すると誰でもどこでもインターネットを楽しめるようになっており、寝る前に気になる企業の情報を調べてみよう…というふうに「いつでも」「気軽に」情報コンテンツにアクセスする時代となったことが大きな要因といえます。
超がつくほどの売り手市場
新卒採用にしても中途採用についても、採用について超がつくほどの売り手市場が続いています。就職氷河期といえるような状況であれば、就職を希望する人の側のほうが多いので、優秀な人を確保することができるでしょう。
しかし、売り手市場という状況が続く中、採用をしたい企業が複数の内定先から選ばれるという状況です。多数の企業から選んでもらうようなブランディング戦略を効果的に利用しなければ、優秀な人を採用するどころか、アルバイト・パートといった職種でもなかなか採用が上手くいかない状態です。
そのブランディング戦略や応募者とのコミュニケションをするためにソーシャルリクルーティングが不可欠となっているのです。
ソーシャルリクルーティングを利用するメリットとデメリットを把握する
ではソーシャルリクルーティングを利用することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかを見てみましょう
メリット
ソーシャルリクルーティングを利用することでいわれるメリットは、ミスマッチを防ぐ効果が期待されることです。
ソーシャルリクルーティングを利用するということは、相互にコミュニケーションをとることになります。応募書類や面接については事前に様々な対策をしていることが通常ですので、適性検査などが発達した今日においても、なかなか「素の人柄」を見抜くことは困難です。
応募者としても、どのような会社なのか、どのような人が働いているのか、というのを公式の情報だけからは推測しがたいものがあります。その結果、採用をしたはいいけれども、自社の業務内容な社風に合わないというミスマッチが発生し、早期退職という結果になってしまうような事が考えられます。
SNSを利用したコミュニケーションをとることで、企業側としては応募者がどのような人なのかを見る機会が増え、応募者としてもどのような企業なのかの理解を深めることができるようになります。また、SNSは相互に日常からどのような利用の仕方をしているかを見ることができるので、採用のためのやりとり以外の情報を見られるようになります。
その結果、相互にどのような人・会社なのかという事に対する理解を深めることができるようになり、入社後のミスマッチを防ぐことに貢献することになります。
デメリット
その一方でデメリットもあります。
デメリットの一つ目としては、運用についてのノウハウの蓄積が必要となります。
会社の中には社用のパソコンやスマートフォンを利用したSNS利用の禁止をしているところも多くあり、公式のアカウントを開いていないところも多くあります。急に運用を始めることでよくありがちなのが、一方的に情報を流し続けるような運用方法をしてしまうことです。
SNSを利用することの一番のメリットは双方向のコミュニケーションにあるのですが、
利用者とのやりとりをしない = 一方的な情報発信
ということになると、SNSを利用する意味がなくなってしまう可能性があるのです。そうなると、運用するための社内のガイドラインやアカウントを運用する担当者(いわゆる中の人)、どうやって拡散や話題になっていくかといった運用に関するノウハウが必要になります。
もし、独自で運用する場合には、初期の頃には全社的なコンセンサスが取れないようなコミュニケーションが発生する可能性があります。
またコンサルタントや外部委託を利用するような場合にはコストが発生することがデメリットといえるでしょう。
SNSごとの特徴を知ろう
では実際にソーシャルリクルーティングをすすめていくにあたって、どのSNSを利用すべきか、といった疑問が湧きますね。
そこで、代表的なSNSの特徴を知りましょう。
Facebookの特徴は実名での利用を原則としていることにあります。Facebookはリアルな交友関係についてのSNS利用を想定しているので、繋がりなどもきわめて個人的で、後述するtwitterのようなカジュアルな使い方をしないことが特徴といえます。
そのため、複数のアカウントを切り分けてプライベート・就活用といった利用方法をする人がほとんどいないので、1つのアカウントに情報が集約されているといえますが、本音の部分は隠してしまうなどの利用方法が多いようです。
Facebookには広告配信のシステムもあり、ターゲットになる属性に似た属性を持つ人に配信しやすいという特徴もあります。
Twitterの特徴はハンドルネームなどでのカジュアルな利用をします。そのため趣味に関するユーザー同士で繋がったりして、本人を特定しないままでつながることが想定されています。
趣味ごとにアカウントを分けたり、終活などのアカウントと趣味や人となりがわかるようなアカウントを分けるようなことは十分に考えられます。気に入ったツイートについては気軽に拡散してくれるなどで、運用のコツをつかむと非常に多くの人に情報を届けることが可能になります。
匿名性の高いものであるため、本人の人となりなどが見やすいものではあるのですが、終活など表立った顏に利用することは想定しづらいといえるでしょう。
Instagramの特徴は四角形の写真を介したコミュニケーションであることに特徴があります。
そのため、アパレルや美容などブランディングにあたってイメージ戦略が必要なものについてのセンスが問われるような運用となります。
まとめ
ソーシャルリクルーティングについてお伝えしてきました。
気軽に企業情報にアクセスできるようになった昨今では、志望動機形成や内定応諾をどこにするかなど、判断をするにあたって情報と接することが増えている中で、SNSを利用したコミュニケーションで採用を有利に進める方法を是非検討してみてはいかがでしょうか。
「何を言うかより、誰が言うか」ってやつだね
この記事を描いたひと
企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。