Webサイトの集客に重要な「Webライティング」とは?必要なスキルや法則を紹介

2021.06.22 ライティング
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オウンドメディア内でのコンテンツや広告などを外部に公開する際に、Googleなどの検索エンジンが高評価し、なおかつユーザーにとって有益な文章を届けるWebライティングが重要になってきます。自社のブランドや商品、サービスを知らない人に対して認知させ、ファン化あるいは製品やサービスを購入させるための重要なチャネルを提供するといっても過言ではありません。

そこで、Webライティングについて、企業が潜在的な顧客である読者を集客に繋げるWeb制作の観点から解説していきましょう。

Webライティングとは?

Webライティングとは、その名の通りWebに公開されるコンテンツの文章を制作することに他なりません。もちろん、個人でブログやSNSに載せる文章を考えることも広義ではWebライティングと言えるかもしれません。しかし、企業が運営するメディアに焦点を絞ると、Webライティングはマーケティングと不可分だと言えるでしょう。

「コンテンツマーケティング」と呼ばれる、潜在的な顧客であるユーザーに対して高品質なコンテンツを提供し、商品やサービスの購入といった収益につなげる手法が注目されるようになりました。加えて、アドテクノロジーの進化により、Web上のメディアの価値が可視化できるようになりました。こうした技法の進化により、集客へと繋げる文章を構成していくことがWebライティングだと言えるでしょう。

紙媒体との違い

現在でこそWebライティングが広告のために重要であるという考えを、企業が共有しています。しかし、長年メディアの中心だったのは「主要四媒体(新聞、雑誌、ラジオ、テレビ)」でした。新聞や雑誌、チラシといった紙媒体もまたマーケティングの要素をもつものの、Webライティングとは根本的に異なります。以下では、Webライティングと紙媒体との違いを雑誌に絞って対比しましょう。

雑誌の場合、あらかじめページ数が固定されており、企画や台数が作られていきます。このため、タイトルやサブタイトル、リードなど文章の量はほぼ決まっており、それを原稿に起こすのがライティング作業です。これに対しWebライティングでは、文章の構成はあらかじめ決められているものの、文章の量は紙媒体ほど厳格な制限はありません。ただし後述するように、SEOなどユーザーが流入しやすい文章を構成することが時として求められるでしょう。

読者層も両者では大きく異なります。フリーペーパーなどお金を支払わなくても読める紙媒体も存在しますが、基本的には読者がお金を支払って雑誌内の記事を読みます。つまり、多少なりとも興味をもっている人が、雑誌など紙媒体の読者だと言えるでしょう。これに対しWebでは、GoogleやYahoo! Japanなどの検索エンジンを使って、読者が記事のあるサイトに自由に流入します。記事に興味をもっていない読者が流入することもあり、最後まで読了しなかったり、途中で離脱したりする可能性が高いといえるでしょう。

その一方で、興味をもった読者がSNSを通じて拡散する傾向はWebにおいて見られます。記事の最初や最後には各SNSのシェアボタンがついており、記事に共感を示せばその読者がすぐさまSNSに拡散し、情報が広まっていくでしょう。また、情報のシェアを通じて読者同士で意見交換が行われることもあります。対して紙媒体では、ほかの読者に雑誌情報を伝えるにしても、タイムラグがあるのは否めません。

友人が必ずしも自分が読んだ雑誌の読者だとも限らないでしょう。そのため、雑誌記事について情報交換に発展する可能性もWebに比べて低く、いわゆる「バズる」という情報の爆発的拡散が起きる可能性も低くなります。仮に「バズる」ことがあったとしても紙媒体というメディアの特性上、Webよりも時間がかかることは否めません。

つまりWebライティングとは、記事から読者を離脱させず読了させる、あるいは他の人に情報を拡散させるための技法という見方も可能でしょう。たとえば、読者が離脱しにくいよう記事に見出しをつけるのも、Webライティングでは必要になってきます。

SEOライティングとの関連性

オウンドメディアで記事を制作しても、読者がその記事にリーチしなければ読んでもらえません。読者が記事にリーチしやすいようGoogleやYahoo! Japanなどの検索エンジンが膨大なWeb情報から記事を発見できるよう適切にインデックスさせることなどが、SEOライティングで必要になってきます。また、モバイルフレンドリーなサイト作りがSEOの施策として重要視されつつありますが、スマホで見やすく読者が離脱しにくいWebライティングが必要でしょう。

とはいえ、SEOライティングがWebライティングのすべてではありません。若者のあいだでは、Googleなど検索エンジンを使用するよりも、TwitterやFacebookといったSNSでタグを検索するように変化してきています。Webでのユーザーの行動が多様化しているため、SEOライティングはWebライティングの1つという捉え方もできるでしょう。

Webライティングに必要なスキル

Webライティングに必要なスキル

Webライティングに必要なスキルとして、最低限のパソコンスキルが挙げられるでしょう。WordやGoogleドキュメントの操作スキルに関して、Web制作を統括するディレクターと実際にWebライティングを行うライターとのあいだで共有されていると、プロジェクトの進行がスムーズにいくでしょう。時には意見交換のために、ChatworkやSlackのようなチャットツールが必要になってくるかもしれません。以下では、Webライティングで必要なスキルについて詳細に見ていきましょう。

①コンテンツのデザイン設計

Webサイト上の記事には、文章内に概略を説明するためのグラフや表、写真などの画像が挿入されています。読者を離脱させないためには、文章だけでなく太字や箇条書き、画像などコンテンツへの配慮が必要でしょう。モバイルフレンドリーであることが検索順位上位であるために必要であり、コンテンツを適切に配置できるデザイン力も求められてくるでしょう。ライターにこうした能力のすべてが求められるかは別にして、ライターが画像やグラフを用意できれば、編集する手間が省けます。

②HTMLやWordpressの知識

HTMLとは、Webサイトで適切に表示させるためのマークアップ言語を指します。見出しや段落、リンクなど、文章の構造を決めるために<h2>や<caption>などタグを使ってマークアップしていきます。Webを制作する上で、こうしたHTMLの知識が必要になってきます。とくに、WordpressなどCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)でオウンドメディアを制作する機会が増えており、編集者やサイト管理者、時としてライターもこうしたWordpressを運用するスキルが求められるでしょう。

③WEBに特化したライティング力

言うまでもなく、ライティング力は必須です。正確な情報を収集し、読者にわかりやすく伝える知識がWebライティングに求められるでしょう。また検索上位に表示されるようなSEOの知識が、Webライティングには必要になってきます。

Webライティングの仕事内容

Webライティングの仕事内容

では、Webライティングが必要な業務としてどのようなものが考えられるでしょうか。

オウンドサイトのコラム記事

企業がオウンドメディアを運営している場合、サイト内のコラムや記事の執筆がWebライティングの業務として挙げられます。Googleなど検索エンジンで潜在顧客を流入させ、ブランドや商品、サービスの認知、さらには購買行動を読者に取らせるようなコンテンツ作りが必要でしょう。

リスティング広告やSNSなどのネット広告

Googleなど検索ページの上位に表示させる「リスティング広告」や、FacebookやTwitterなどSNSで表示させる広告など、ネット広告は多岐にわたります。こうしたネット広告のコピーやキャッチフレーズを作り出すのも、Webライティングの業務のひとつと言えるでしょう。読者の心を動かし、商品やサービスの購入へとこぎつけるような文章力がライティングに求められます。

ECサイトでの商品の説明文

企業の中には自社の製品をサイト内で販売する「ECサイト」を運営しているケースもあるでしょう。ターゲットに対しコピーを掲載するだけでなく、写真だけでは伝わりにくい具体的な商品やサービスの特徴を文章内で説明する必要があります。

Webライティングのフォーマット

Webライティングのフォーマットの代表例として、SDS法とPREP法の2つが挙げられます。コンテンツの目的に応じて、使い分けていきましょう。

①SDS法

SDSとは「summary、details、summary」の略です。最初に全体の概要(summary)を示し、詳細に説明(details)したのち、最後に再び全体のまとめ(summary)を提示します。漫然と内容を伝えるのではなく、素早く伝えるのに有効なのがSDS法の特徴と言えるでしょう。離脱率の高いWebメディアと親和性が高いと言えます。

②PREP法

PREPとは、「point、reason、example、point」の略です。最初にポイント(point)や結論を述べ、理由(reason)や具体例(example)で主張の根拠を補足してゆき、最後にポイント(point)や結論でまとめます。PREP法は古くからWebライティングで用いられており、結論を重視しつつも具体例を交えてじっくりと内容を伝えるのが特徴だと言えるでしょう。

Webライティングを行う手順

では、どのような順序でWebライティングを進めていくのでしょうか。ここでは、オウンドメディアでのコラム記事に絞ってWebライティングの進め方を確認していきましょう。

①ペルソナや構成を作る

まず、どのような人に文章を読んで欲しいのかというペルソナを設定します。年齢や職業、学歴や年収、趣味など、具体的な人物像を描いていきます。内容のメッセージ性を定めるのにペルソナは設定されないといけません。

ペルソナを設定し、その人物のニーズに合う、あるいは疑問を解決するように記事の構成を考えていきましょう。時には、競合サイトと比較しつつ、記事の構成を考えていく必要もあります。ただし記事の構成が仕上がったとしても、本文を書いていくうちに見出しの変更が必要になってくる場合もあります。そのため、本文を書くまでに完璧な記事構成を仕上げる必要はありません。

②ライティング開始

構成をもとに、実際に本文を執筆していきましょう。ペルソナとして設定した人物が離脱しないような文章であることはもちろん、検索順位の上位に表示されるようなSEOを意識しながら執筆していくといいでしょう。読者が満足するよう、内容を深掘りするためにリサーチも必要になってきます。

③文章の校正・校閲

記事が完成すれば、誤字脱字がないかの確認(校正)や内容に誤りがないかの確認(校閲)へと工程が移ります。この際、最初に設定したペルソナや記事の構成とのズレがないかも確認しましょう。

④コンテンツの公開

記事のチェックが完了すると、文章をWebに公開します。ペルソナに設定した人物像がSNSなどを利用するタイミングを狙い、公開するタイミングを決めましょう。スマホやPCでSNSを確認する時間は、早朝、昼、夜だと言われています。文章を公開したことを読者に伝えるため、SNSやメルマガで宣伝しましょう。

評価されるWebライティングとは

GoogleやYahoo! Japanなどの検索エンジンで高く評価されやすいコンテンツとは、疑問を解決するなど読者を満足させるものでないといけません。企業のコンテンツであれば、企業のもつ独自情報を提供すると読者を満足させられるでしょう。また専門家の執筆や監修付きの文章も、検索エンジンの高い評価を受けます。

タイトルや見出しの最適化

内容に加えて、検索エンジンが高評価をつけるよう、タイトルや見出しを最適化する必要があります。オウンドメディアや各記事の構成を検索エンジンが理解しやすいよう構造化します。見出しで文章が構造化しているだけでなく、本文が見出しと一致していると読者が理解しやすいまとまったコンテンツになるでしょう。

Webライティングの注意点

Webライティングの注意点

Webライティングを進めていく上で、どのような点に注意すべきでしょうか。

①動画・画像の挿入

先述したように、文章だけで伝えられる内容は限られています。別の側面からコンテンツの内容を伝えられるよう、動画や画像、グラフや表などを挿入していきましょう。文章がひたすら続くと読者が見づらいコンテンツになり、離脱率の高さへとつながってしまうでしょう。必要があれば、デザイナーに見栄えのいい図の作成を依頼しないといけません。

②他サイトからコピーをしない

他のサイトからコンテンツを無断でコピーしたりリライトしたりすると、著作権の侵害にあたるので、絶対にやめましょう。ただし、画像の直リンクは日本の著作権法では原則違反にはなりません。とはいえ、自分に著作権があるように振る舞うと著作者人格権侵害になりますので注意してください。

③情報は正確であること

情報の正確性には最大限留意しましょう。医療や健康、財産や安全をテーマにしたページに対し、GoogleはYMYL(Your money or your life)として検索品質評価で重視しています。

また特定の医薬品について、本来ない効果を喧伝することは薬機法(旧・薬事法)に違反する可能性があります。かつて健康医療サイトである「WELQ(ウェルク)」が医師から薬機法違反ではないかと問題視されました。読者を誤解させるようなコンテンツにならないよう、情報の正確性には気を付けましょう。

④目的にあったコンテンツ作り

サイトの目的にあったコンテンツ作りが必要です。ニュースが目的であれば、記事の鮮度が命になるため、早めに記事を公開する必要があるでしょう。検索流入により多くの見込み客を獲得するのであれば、SEOに気をつけてWebライティングを行わないといけません。

まとめ

年齢層によってスマホやPCなどのデバイス、あるいは使用するSNSも異なるだけでなく、Webで情報をどうやって収集するかの方法も変わってきています。そのため、SEOを意識したコンテンツ作りやWebライティングも大事ですが、コンテンツにたどり着くためのチャネルの多様化に対応しないといけません。ただしWebライティングで重要なのは「読者を満足させること」であり、それなくしてブランドの認知や商品やサービスの購入へと読者を導くことはできないでしょう。

結論は先に、結論は先に、結論はさ…

この記事を描いたひと

untenna編集部

企業のWeb担当者と制作会社の想いをつなげるメディア「untenna」の編集部。

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